朝日は慰安婦問題と部数減を乗り切れるのか
渡辺雅隆・朝日新聞社社長に聞く

東洋経済2016年03月27日

山川 清弘 :東洋経済 記者

2014年に慰安婦問題などの誤報から、トップ交代に追い込まれた朝日新聞社。今後の立て直し策を渡辺雅隆社長に聞いた。
──慰安婦問題の誤報で腰が引けているともいわれる。

この問題については、「さまざまな議論をその都度書いていきたい」と申し上げた。(虚偽だと判断した)吉田清治氏の発言は、確かに朝日が掲載したが、産経新聞も読売新聞も載せた。その事実に触れずに、さも朝日新聞だけが書いたかのように言うのは、いかがなものか。

日韓で合意をして新しい関係を築いていこうというときだからこそ、問題点がどこにありどんな議論がなされているのか、何がわかっていて何がわかっていないのかを、理解していただくような記事を出していかねばならない。

社内からも経営陣に批判が向けられた

──不祥事直後の社長就任だった。社内の雰囲気は?

就任前後は経営陣への批判が強くあった。社内もざわついていて、一つにまとまろうという感じではなかった。

一連の問題で迷惑をかけた販売店に出向いて、「何とか頑張っていきますから」とお詫びした。記者も自発的に販売店に出掛けていき、一緒にお客様回りをした。

社員との対話集会をこれまでに200回ぐらい開催した。初めは「会社はどうしてくれるんだ」という声があったが、「どうしてあんなことになってしまったのか、もう一度考えよう」と話をしたら、社員自身が「私」を主語にして何をすべきか、語る場面が増えてきた。

以下略
http://megalodon.jp/2016-0327-1221-13/toyokeizai.net/articles/-/110246
https://web.archive.org/web/20160327032154/http://toyokeizai.net/articles/-/110246