慰安婦問題、新たな形を 崔鳳泰弁護士

毎日新聞2017年4月24日 東京夕刊

「日本政府の代表が被害者と直接、会ってその思いを真摯(しんし)に受け止める。そこから道は開かれる」。戦後補償をテーマにした公開フォーラムが先月、東京であり、韓国の崔鳳泰(チェボンテ)弁護士(54)が、慰安婦問題について提言した。

ソウル大学を卒業して郷里の大邱(テグ)で弁護士活動をスタートした。東京大学大学院に留学した経験もあり、母国の戦争被害者の「名誉回復のために」と数々の戦後補償裁判に関わってきた。朝鮮半島から日本に徴用された韓国人らが日本の各企業に損害賠償を求めた訴訟(韓国内)では原告側の勝訴が相次いだが、日本の弁護士と連帯して闘った崔弁護士らの存在は大きいという。

フォーラムでは、慰安婦問題に関する2年前の日韓合意を「外交的妥協」と指摘。韓国の最高裁は2012年、個人の請求権は消滅していないとの判断を下しており、「個人の請求権問題は法的には未解決。謝罪と補償を求め続ける当事者の声に耳を傾け、新たな形を考えるべきだ」と強調した。【明珍美紀】

https://mainichi.jp/articles/20170424/dde/007/070/061000c