サンフランシスコ市の慰安婦像「設置に反対」大阪市長、訪米前に明言

産経2016.5.26

米サンフランシスコ市議会で昨年、「性奴隷を強制された20万人」という表現が盛り込まれた慰安婦碑または像の設置を支持する決議が採択された問題に関し、姉妹都市として8月に同市を訪れる吉村洋文大阪市長は26日の記者会見で「設置には反対だ」と明言した。昨年12月に就任以降、慰安婦像決議への見解を表明したのは初めて。

決議をめぐっては、橋下徹前市長が在任中、サンフランシスコ市の市議会や市長に対し、慰安婦が味わった苦痛への理解と反省の認識を示した上で、日本の事例のみを取り上げるのは問題を矮小(わいしょう)化するとして「日本に法的責任があるなら世界各国も同様」「不正確さを排除した事実の提示が必要」と反論する書簡を送っていた。

吉村市長はこの書簡について「私も同じ考え」と述べた上で、「確認されていない歴史的事実に基づくものを、市が公の場所に設置することがあってはならない」と語った。

橋下氏は平成25年、「(先の大戦当時は)慰安婦制度が必要だということは誰にだって分かる」などと発言し、反発した中国、韓国系住民らの影響で訪米計画が中止になった経緯がある。吉村市長の訪問は関係修復を図る狙いがあるが、中国系のエドウィン・リー市長と面会する際の対応を問われ、「(慰安婦問題の)認識を問われれば答える。こちらから言及することは考えていない」と述べた。ただ「具体的に(像設置の)動きがあれば、しないように求めていく」と牽制(けんせい)した。

吉村市長はリー市長にも大阪訪問を求める意向を表明。「人間関係を構築し、目的を実現していきたい」と述べ、関係を深めることが像や碑の設置抑止にもつながるとの考えを示した。

(以下略)

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