テッサ・モーリス・スズキ日本の「女性活躍推進」政策の醜悪な面 — 2015年11月26日

テッサ・モーリス・スズキ日本の「女性活躍推進」政策の醜悪な面

日本の「女性活躍推進」政策の醜悪な面
テッサ・モリス=スズキ

日本は戦時下の性暴力をなくすことにかけて国際社会を先導していきたいとしている。

それにも拘わらず安倍政権はいわゆる「慰安婦」の歴史的事実を強く否定しており、そのことについて敢えて語る人物を執拗に攻撃している。

9月25日、日本の安倍晋三首相は、第69回国連総会にて行った演説で、日本を女性の輝ける社会に変えると固く誓言し、戦時下の性暴力をなくすために国際社会をリードしていきたいと付言した。

これは安倍首相による「女性活躍推進」政策のうちのひとつに過ぎない。これに先立って、プムズィレ・ムランボ=ヌクカ国連ウィメン事務局長は、報道によれば、安倍首相が全閣僚19名のうち女性閣僚の数を2名から5名へと増やしたことによって「世界に手本を示した」と述べて、首相を称賛したという。

しかし世界のメディアの視線の届かないところで、日本では別の女性関連政策が同時に進められてきた。

9月5日、安倍内閣の菅義偉官房長官が、記者会見を開いて、そこでいわゆる「慰安婦」について日本政府の見解を明らかにした。それによれば、第2次世界大戦中、日本軍の慰安所へ集められた何万人もの女性たちのうち誰ひとりとして日本軍または日本警察によって強制的に徴集された者はいなかった、というのだ。

会見に居合わせた記者たちは、「慰安婦」として勤めさせられた(戦時下捕虜を含む)オランダ人女性たちについて質問を投げかけた。ある記者は、この問題に関してオランダ議会調査委員会によって1994年に念入りに作成された報告書をとりあげた。その報告書は、およそ65名の女性たちが日本軍または警察によって売春を強要されたことを明らかにしたものだった。

菅官房長官ははじめ質問に答えることを避けたが、やがて次のように述べた。

「日本政府の見解としては、(この問題に関する)政府の調査の結果、軍およびその関連機関の関与した強制連行があったことを証明する記述を見つけることはできなかった」

安倍首相とその支持者たちは、長い間、日本の近代史におけるこの闇に対する責任を極限まで小さくしようとしつづけてきた。そのために、日本およびその近隣諸地域や戦場で直接とらえられた女性たちと、あっせん業者によってだまされて軍へ引き渡された女性たちのあいだに、線を引こうとしてきた。後者の女性たちは、彼らがいつも言い張るところによれば、「強制連行」されたのではないというのだ。

そして今や安倍首相とその支持者たちは、強制連行に関する報告をすべて、一切の地域に関して、否定しているのだ。

つまり、彼らは、今や、第2次世界大戦中の日本の領土全体のうち他の地域でも女性の強制連行があったことを示す多数の証言といっしょに、1994年のオランダの報告書をも否定しているということになる。

安倍首相とその支持者たちがそのような否定を行う一方で、これまで「慰安婦」に関する歴史を伝えようとしてきた日本の記者、歴史学者、出版者その他のひとびとがいま右翼グループからの激しい攻撃にさらされている。

朝日新聞は、この問題に関して比較的バランスのとれた報道を行おうとしてきた機関であるが、競争関係にある右翼の報道機関や有力政治家たちによって激しく非難されてしまっている。

この攻撃の主なきっかけは、朝日新聞がおよそ25年前に行った誤報を最近認めたことだった。当時、朝日新聞は「慰安婦」の強制連行に関与したという元日本軍兵士の発言を報じたが、数年後この元兵士が公に発言を撤回したのだった。

当時、他の新聞各紙がその元兵士の証言に基づく内容の記事を掲載したにも拘わらず、またその証言が少なくともこの10年来「慰安婦」問題に関する論争において採用されていなかったにも拘わらず、朝日新聞はいま公開処刑の憂き目に会っており、その主筆を国会に証人喚問せよという脅迫じみた声が上がっている。

最近、安倍首相も菅官房長官もともに、「日本の国際的名誉を損なった」として朝日新聞を断罪した。

世論がこれに連動して朝日新聞に対する敵意を異常に高めるなか、かつて「慰安婦」問題に関する記事を執筆したことのある元朝日新聞記者を講師として雇っている日本の大学が、右翼グループから、メールや電話を通じた集中砲火を浴びており、その元記者の解雇を要求されている。このせいで、これまでに少なくともひとりの大学教員が突然の「早期退職」に至っている。

他にも、大学教員が自らの講義中に慰安婦の強制連行について触れた資料を用いたために有力なマスメディアから攻撃された事例がある。この問題の解説者たちや他の関連題目は、右翼の週刊誌によるいわれなき攻撃のターゲットにされてしまっている。大半の有力マスメディアが沈黙を強いられてしまっている。今もなお日本政府による強制連行否定を批判的にとりあげていたり、強制連行されたことを証言している元「慰安婦」の記事を掲載していたりするのは、せいぜい一、ニ社の勇気ある小規模な新聞だけだ。

日本が活発なリーダーシップを発揮して戦時下性暴力をなくしていくことは、国際社会から歓迎されるだろうし、実際にいま大いに必要とされている。

しかし日本が、女性に対する過去の重大な暴力を否定しているあいだは、またその歴史について語る自国民たちを攻撃し抑圧しているあいだは、この主導的役割を果たせはしまい。

日本語訳  内田樹
https://web.archive.org/web/20150523210841/http://blogos.com/article/96768/
http://www.webcitation.org/6dJG2RZlb

The ugly face of Japan’s ‘pro-women’ policy
By Tessa Morris-Suzuki
Posted 10 Oct 2014

Japan wants to be a world leader in eliminating sexual violence during conflicts, yet the Abe government is forcibly denying aspects of its “comfort women” history and harassing anyone who dares speak of it, writes Tessa Morris-Suzuki.

On September 25 Japan’s prime minister, addressing the United Nations General Assembly, pledged to make Japan a society where women shine, and added that his country would lead the international community in eliminating sexual violence during conflicts.

This is just one of a number of high-profile “pro-women” moves by Shinzo Abe. Earlier in September he was praised by the executive director of UN Women, Phumzile Mlambo-Ngcuka, who reportedly described him as “setting an example to the world” by increasing the number of women cabinet ministers from two to five (out of 19).

But away from the glare of the world’s media, other moves affecting women have also been under way in Japan.

On September 5, the Abe government’s chief cabinet secretary, Yoshihide Suga, held a press conference at which he made plain his government’s view that none of the tens of thousands of women taken into the Japanese military’s wartime brothels – the so-called “comfort women” – were forcibly recruited by the Japanese military or police.

Journalists at the conference raised the question of Dutch women (including wartime internees) who were made to serve as “comfort women”. One reporter referred to the careful study of this issue commissioned by the Dutch parliament and completed in 1994, which found that about 65 women had been forcibly recruited by the Japanese military or police for prostitution.

At first, Suga avoided answering the question, but went on to give the following statement:

The government’s position is that in the government’s examination (of the issue), it was not possible to find descriptions showing so-called forcible recruitment in which the military and related bodies were involved.

Abe and his political allies have long sought to minimise responsibility for this dark past in Japan’s recent history by trying to make a distinction between women seized directly in their homes, neighbourhoods or workplaces by the military, and those who were first tricked by brokers and then handed over to the military. The latter, they have always said, were not “forcibly recruited”.

Now they are denying all reports of forced recruitment everywhere.

This can only mean that they now also reject the findings of the 1994 Dutch report, as well as many testimonies of forced recruitment of women in other places throughout Japan’s wartime empire.

This denial comes as Japanese journalists, historians, publishers and others who have tried to tell the story of the “comfort women” find themselves under fierce attack from right-wing groups.

The liberal Asahi newspaper, which has attempted to provide relatively balanced coverage of the topic, has been bitterly criticised by its right-wing rivals and by leading politicians.

The main trigger for this attack was a recent acknowledgment by the Asahi’s editor that his paper had made an error some 25 years ago, when it published a statement by a former Japanese soldier who claimed to have been personally involved in recruiting “comfort women”. A few years later, the soldier publicly retracted the claim.

Even though other newspapers also published stories on the soldier’s testimony at the time, and even though the testimony has had no influence on serious debate about the “comfort women” issue for at least the past decade, the Asahi is now being publicly pilloried, and there have been threats to call its chief editor before parliament for questioning.

Both prime minister Abe and chief cabinet secretary Suga have recently condemned the Asahi for “bringing shame on Japan”.

In an extraordinary campaign of coordinated public hostility, Japanese universities employing former Asahi journalists who have written on the “comfort women” issue now find themselves bombarded by emails and phone calls from right-wing groups demanding that they sack the academics concerned. This has led in at least one case to the sudden “early retirement” of an academic under attack.

Other academics have been attacked in the mainstream mass media for including material referring to the forced recruitment of comfort women in their classes. Concerned public commentators on this and other related issues have become the target of scurrilous attacks by right-wing weekly magazines. Most mainstream media have been cowed into silence, and only one or two small and brave journals still dare look critically at the government’s denials or to publish the stories of former “comfort women” who speak of being forcibly recruited.

An active Japanese leadership role in eliminating sexual violence during conflicts would be welcome and is sorely needed by the world.

But Japan can’t fulfil this role while denying crucial aspects of its own past violence against women, and harassing and suppressing its own citizens when they speak about that history.

 

ABC

http://megalodon.jp/2015-1126-1233-28/www.abc.net.au/news/2014-10-10/morris-suzuki-the-ugly-face-of-japan’s-‘pro-women’-policy/5801376

http://megalodon.jp/2015-1126-1241-42/www.peeep.us/a7d3cc1e

強制動員調査委の存続を 日本の団体大統領に要望書 — 2015年11月25日

強制動員調査委の存続を 日本の団体大統領に要望書

強制動員調査委の存続を 日本団体などが朴大統領に要望書

2015/11/15
【東京聯合ニュース】日本の市民団体や歴史研究家などが13日、日本植民地時代の強制動員被害を調査する韓国の政府機関「対日抗争期強制動員被害調査および国外強制動員犠牲者ら支援委員会」の存続を求める朴槿恵(パク・クネ)大統領ら宛ての要望書を在日本韓国大使館に提出した。

 委員会の設置根拠となる特別法は委員会の存続期間を2015年12月末までと規定している。

 要望書には強制連行・企業責任追及裁判全国ネットワークや長野県強制労働調査ネットワークなど17団体、高麗博物館(東京)の樋口雄一館長、同志社大の大田修教授ら専門家30人が名を連ねた。

 要望書は、委員会が設立後、多くの成果を上げたが、歴史問題に関する調査や究明しなければならない課題が依然残っているとして、委員会の存続と組織強化を要請した。

 一方、関東大震災朝鮮人虐殺の国家責任を問う会のメンバーら38人は、関東大震災朝鮮人虐殺事件の真相究明や犠牲者名誉回復に関する特別法案を国会本会議に上程するよう求める要請書を韓国の国会安全行政委員会の委員長らに送った。国会議員103人が発議した同法案は政府レベルで関東虐殺事件の真相究明や犠牲者と遺族の名誉回復を目的としている。
http://megalodon.jp/2015-1117-0220-14/japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2015/11/15/0200000000AJP20151115000200882.HTML
http://www.webcitation.org/6dInDeNr0

「強制動員歴史館」内部公開 —

「強制動員歴史館」内部公開

「強制動員歴史館」内部公開 来月10日に開館=韓国

2015/11/24
【釜山聯合ニュース】日本による植民地時代に韓国で行われた強制動員の歴史を伝える「日帝強制動員歴史館」の内部が24日、公開された。釜山に建設された同歴史館は「世界人権デー」に合わせ12月10日に開館する。

 同歴史館は敷地7万5465平方メートルに延べ床面積1万2062平方メートル、地上6階建ての規模。展示室3カ所と収蔵庫、教育施設、公共施設などが設けられている。

 展示室には満州事変から現在までの強制動員関連の遺品や寄贈品、記録物など192種354点が展示されている。展示物は韓国政府機関「対日抗争期強制動員被害調査および国外強制動員犠牲者ら支援委員会」が強制動員被害者やその家族から寄贈を受けたり、直接収集したりしたものだ。 

 5階には展示室と展示室の間には、強制動員された被害者の魂をたたえ、忘れないという意味をこめた「鎮魂の橋」が設置された。橋の入口周辺には炭鉱や旧日本軍の慰安所など、強制動員の現場が再現され、入館者が当時の様子を体験して学習することができるようになっている。慰安所の横の壁面では慰安婦被害者のインタビュー映像を見ることができる。

 委員会は2005年から進めている被害者調査関連書類約33万件を国家記録院との協議を経て歴史観の収蔵庫に保管する計画だ。 

http://megalodon.jp/2015-1125-2029-15/japanese.yonhapnews.co.kr/society/2015/11/24/0800000000AJP20151124002700882.HTML
http://www.webcitation.org/6dIn8fqkz

[raw]日本慰安婦否定歴史歪曲本米国に —

[raw]日本慰安婦否定歴史歪曲本米国に

‘위안부 否定’ 역사왜곡 책, 美 학자들에게 뿌린 일본

[日 이노구치 참의원 배포]
위안부를 성노예로 불렀다며 美를 ‘일본의 敵’으로 규정
‘역사전쟁’ 책 사진
‘일본군 강제 동원 위안부’를 전면 부정하는 내용의 서적이 미국 등의 일부 교수와 전문가 그룹에 광범위하게 배포되고 있는 것으로 뒤늦게 알려졌다.

워싱턴 DC의 한 외교 소식통은 22일 “워싱턴 DC를 포함한 미국 전역과 일부 유럽 국가, 호주 등에 있는 아시아 전공 교수나 학자들에게 위안부 문제가 조작됐다는 내용이 담긴 서적 2권이 배달되고 있다”고 말했다.

테사 모리스-스즈키 호주국립대 교수는 지난달 말 외교 전문지인 ‘디플로맷’에 ‘일본의 역사전쟁은 끝나지 않았다’는 제목의 글을 통해 실태를 폭로했다. 그는 “일본 자민당의 유력 인사가 세계 각국의 학자, 언론인, 정치인에게 원치 않은 책을 최근 보내왔다”며 “한국인 위안부가 돈 때문에 거짓 증거를 제시했다는 내용의 ‘역사전쟁(History Wars·사진)’과 일본 제국주의는 선했다는 주장이 담긴 ‘극복하기! 왜 한국은 일본 때리기를 중단해야 하느냐’는 책이었다”고 말했다. ‘역사전쟁’은 대표적인 일본의 우익 언론인 산케이신문사에서 발간했고, ‘극복하기’는 한국 출생으로 일본에 귀화해 한국 때리기에 앞장선 오선화 다쿠쇼쿠(拓殖)대 교수가 쓴 책이다. 산케이신문은 우익을 대변한 이 책에서 일본군이 위안부를 강제 동원했다는 증거가 없는데도 1993년 고노 담화가 나왔다고 불만을 제기했다. 이 책은 특히 ‘성 노예(sex slaves)’라는 용어를 공식으로 사용하는 미국을 ‘일본의 적(enemy of Japan)’으로까지 규정했다. 오선화는 “서구의 제국주의는 야만적이고 착취적이었지만, 일본은 한반도를 무력으로 점령하지도 않았고, 언론의 자유까지 보장하는 등 선한 제국주의였다”고 주장했다.

모리스-스즈키 교수는 “이 책들을 일본의 우익 조직이 배포하는 거라면 모르지만, 집권당의 실력자 정치인이 나선 것은 다른 차원”이라며 “그는 무명의 개인에 의해 일본 관련 역사가 왜곡됐는데, 이 책을 읽고 생각을 바꾸라고 강조했다”고 말했다. 책을 배포하면서 서한을 첨부한 인물은 대표적인 우익 인사인 이노구치 구니코 일본 참의원으로 알려졌다.

올 초 미국을 비롯한 전 세계 역사학자들이 일본의 역사 왜곡을 비판하는 성명을 발표하는 데 공헌한 알렉시스 더든 미 코네티컷대 교수는 “일본 측에서 이 책을 나에게는 8권이나 보내왔다”며 “미국, 호주, 일본, 캐나다, 프랑스, 영국 등지의 동료 학자들에게 계속 보내는 걸로 안다”고 말했다. 더든 교수는 “공공외교라는 이름하에 이런 식으로 서적을 배포하는 것은 전 세계가 우려하는 증오 행위”라고 말했다.

朝鮮日報2015.11.24
https://web.archive.org/web/20151124160610/http://news.chosun.com/site/data/html_dir/2015/11/24/2015112400389.html
http://megalodon.jp/2015-1125-0719-36/news.chosun.com/site/data/html_dir/2015/11/24/2015112400389.html

[raw] history wars「『慰安婦=人権問題』否定すれば米で反発呼ぶ」 —

[raw] history wars「『慰安婦=人権問題』否定すれば米で反発呼ぶ」

정부 “日, ‘위안부=인권문제’ 부정하면 美서 반발 부를것”

‘역사왜곡 서적’ 美배포에 “동향 주시, 다각 노력중”

정부는 일본 우익세력이 최근 미국 전문가들에게 일본군 위안부와 관련한 역사적 사실을 부정하는 책자를 배포한 데 대해 “미국을 비롯한 국제사회의 더 큰 반발에 직면할 것”이라고 경고했다.

조준혁 외교부 대변인은 24일 정례브리핑에서 “일본군 위안부 피해자 문제는 전시 여성인권이라는 보편적 인권의 문제라고 이미 국제사회가 명확히 판정을 내린 사안”이라며 “이를 부정하려는 일본 측의 어떤 움직임도 미국을 비롯한 국제사회의 더 큰 반발에 직면하게 될 것”이라고 말했다.

조 대변인은 일본 우익세력의 서적 배포에 대해 “우리 정부로서도 그런 동향을 잘 파악하고 주시하고 있다”며 “이런 움직임에 대해 다각적 방면으로 노력을 전개하고 있다”고 말했다.

미 워싱턴 외교소식통들에 따르면 워싱턴 D.C와 주요 대학에서 동아시아 문제를 다루는 학자와 전문가들에게 일본군 위안부 문제와 관련한 서적 2권이 배포됐다.

두 권의 서적은 일본 산케이 신문사가 제작한 ‘역사전쟁'(History Wars)과 오선화 다쿠쇼쿠(拓殖)대 교수의 ‘극복하기: 왜 한국은 일본 때리기를 중단해야 하는가’로, 위안부 문제가 조작됐다는 등의 주장을 담고 있다.

한편, 윤병세 외교부 장관은 래리 호건 미국 메릴랜드 주지사에게 암 완쾌를 축하하는 서한과 화환을 보냈다고 조 대변인은 밝혔다.

윤 장관은 서한에서 “호건 주지사의 완쾌 소식을 접하게 돼 기쁘다”며 “이 소식이 고통받고 어려움에 처한 많은 사람들에게 희망과 영감을 줄 것”이라고 밝혔다.

한국 교포인 유미 호건 여사와 결혼해 ‘한국 사위’로 불리는 호건 주지사는 림프종암으로 투병해 왔으며 지난 16일 완치 사실을 밝혔다.

韓国経済 2015.11.25
https://web.archive.org/web/20151124215630/http://www.hankyung.com/news/app/newsview.php?aid=2015112459278
http://megalodon.jp/2015-1125-0656-26/www.hankyung.com/news/app/newsview.php?aid=2015112459278

— 2015年11月23日

【社説】日本のダーティープレーと韓国外交部の無能

 日本の安倍晋三首相は今月2日の韓日首脳会談で、旧日本軍の慰安婦問題の早期妥結に向けた交渉を加速化することについて朴槿恵(パク・クンヘ)大統領と合意した。会談の直後には、日本メディアに対し「今年が日韓国交正常化50周年ということを念頭に置いて交渉していく」と述べた。国交正常化50周年に言及したのは、慰安婦問題の年内の妥結を第1の目標として努力していくという意味だと考えられ得るものだった。

 ところが安倍首相は、帰国するや否や、これを覆すかのような発言をしている。帰国した日の夜には日本テレビの番組に出演し「慰安婦問題は1965年の日韓請求権協定に基づき、完全に解決されたという基本的な立場に変わりはない」と語った。今月4日には与党・自民党の幹部に対し「年内(の妥結)という話が出ているが、年内と(期限を)切ると難しくなる」と述べたと報じられた。すでに解決したというなら、一体何についての交渉を約束したのだろうか。「年内は難しい」というのなら、なぜ「国交正常化50周年」に言及したのか、理解できない。

 首相がこんな状態かと思えば、その部下はもっとひどいものだ。安倍首相の側近中の側近である萩生田光一官房副長官は5日、日本メディアとのインタビューで「どうすれば(被害者たちの)心が休まるというのか。今やボールは韓国側にある」と述べた。韓国側が解決案を示せというわけだ。韓国政府は「慰安婦問題は請求権協定には含まれていないため、日本政府に法的な責任がある」という立場を維持してきた。これに対し、日本側がどのような形で応じるのか、これまでの交渉では話し合ってきた。そんな中で、一体誰に対し解決策を示せというのか。

 首脳会談の後日談が日本メディアを通じて連日伝わってくるというのも正常とはいえない。「日本側が『慰安婦問題のために首脳会談ができないというのなら、なすすべがないと意地を張ったため、韓国が譲歩した』「日本側が昼食会を提案したのに、韓国側が拒否したため、安倍首相の周囲では『昼食会ごときで国益を損なうことはできない』という話が出ている」などと、一方的な内容ばかりが伝わってくる。日本はいつでも堂々と構えてきたというわけだ。このような後日談は、日本が果たして今回の首脳会談に真摯(しんし)な姿勢で臨んだのかという疑問を生じさせている。中・日首脳会談の結果に対する後日談がほとんど出てこないことを考えると、日本が韓国と中国をどう区別しているのかを推し量ることができる。

 今回、安倍首相は中断されていた韓中日首脳会談を復活させたことにより、安倍政権の外交上の最大の弱点だった北東アジア外交をある程度軌道に乗せるという成果を上げて帰った。だが、歴史問題の解決なくして、韓日関係の完全な復元は不可能だ。安倍政権が米国などを味方に付けることで実現した首脳会談の後、このように軽率な言動を続けるのであれば、韓日関係の根本的な改善は期待できないだろう。

 韓国の外交部(省に相当)も嘆かわしいのは同じだ。外交部が最初から、(首脳会談について)全てを透明な形で明らかにしていれば、日本のダーティープレーがこれほどひどい状況にはならなかったはずだ。韓国政府は何を心配したのか、南シナ海での中国による海洋進出問題や、日本産水産物の輸入規制問題、産経新聞の前ソウル支局長に対する裁判の問題など、首脳会談で議題になった懸案を公開せず、日本の外務省が公開した後になってそれを認めた。3年6カ月もの間首脳会談を拒否したことで、何ら成果を得られなかったことが恥ずかしかったからなのか。日本はこのような外交部の弱点を見透かして、つまらない後日談を流しているのだ。韓国政府は首脳会談で何ら成果を得られなかった上、事後の管理にも失敗した。外交部の無能ぶりは、到底隠しようがない病だ。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2015/11/07

https://web.archive.org/web/20151107093931/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/11/07/2015110700538.html
https://web.archive.org/web/20151107094044/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/11/07/2015110700538_2.html

「日本政府の歴史歪曲映像を粉砕」 VANKがキャンペーン —

「日本政府の歴史歪曲映像を粉砕」 VANKがキャンペーン

「日本政府の歴史歪曲映像を粉砕」 VANKがキャンペーン展開

「韓国の若者が先頭に立とう」

「日本の歴史歪曲(わいきょく)フレーム(映像)を粉砕せよ!」

サイバー民間外交使節団「VANK」が日本の歴史歪曲映像を事細かに指摘するプロモーション動画を作り、関心を集めている。

VANKは4日、「韓日フレーム戦争」というタイトルの動画を動画共有サイト「ユーチューブ」に掲載し、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「フェイスブック」を通じて全世界に拡散させるキャンペーンを開始したことを発表した。

VANKの今回のキャンペーンは、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領と安倍晋三首相の間で初の韓日首脳会談が行われたのを機に、韓日歴史問題の本質を国際社会に伝える動画を韓国の若者たちの手で世界に広めようというものだ。

動画は8分37秒間で、日本政府が国際社会に対して展開している、帝国主義時代の行為を隠すPR戦略や、日本政府の映像歪曲例を具体的に指摘している。対象となっているのは、日本による抑圧・搾取・暴力行為を隠し、韓国をはじめとするアジア各国が経済成長するため努力したあらゆるプロセスや成果を無視した上で、経済発展の根源に日本政府の経済援助があると世界の人々に広報している映像だ。

VANKは「日本政府は今年3月、グローバルなニュースチャンネル『CNN』の広告を通じ、地球の平和と繁栄の立役者としてアジアと世界を発展させた『偉大な日本』という国家イメージを作ろうとしている」と指摘した。

また、「帝国主義・軍国主義への足掛かりとなる日本の産業化遺産(明治日本の産業革命遺産)を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録する際、アジア初の近代化に成功した日本をPRし、韓国人強制徴用という事実は徹底的に隠ぺいするなど、ユネスコを日本帝国主義の侵略史を洗い流す『免罪符』として利用している」と批判した。

日本政府は今年、歴史問題や領土問題に関して海外に広報するため、米ロサンゼルス、英ロンドン、ブラジル・サンパウロの3都市に「ジャパンハウス」を設置、合計500億円規模の関連予算を策定した。安倍首相は、日本の現代政治や外交に関する研究を支援する名目で、米国の名門マサチューセッツ工科大学・コロンビア大学・ジョージタウン大学にそれぞれ500万ドル(約6億円)を提供することを発表した。

VANKは「韓国は、日本政府が戦後70年間に作った国際社会向け映像に対し瞬間的・断片的・防御的に対応することにきゅうきゅうとしている。今こそ日本政府が70年間にわたり国際社会にひた隠しにしてきた真実を明らかにし、何の反省もなく推進している『歴史美化』の裏面を世界の人々に正しく知らせる時だ」と力説した。

その上で、「韓国人には世界最高レベルのインターネットやネットユーザーの優れたSNS活用能力がある。石でゴリアテを倒したダビデのように、韓国の若者たちがネットやSNSを通じて日本政府による歪曲映像を平和と和解の映像に変えれば、21世紀のアジアと世界が変化するだろう。韓国の若者たちの挑戦こそアジア平和の未来だ」と結論付けている。

VANKは、韓国の若者たちがVANKの「韓日フレーム戦争」映像を家族・友人・同僚らに知らせ、広く共有するよう呼びかけている。そして、若者の参加が日本の歪曲映像作成意図を挫折させ、アジアの平和と和解を導き出し、21世紀の世界を変化させると強調した。

NEWSIS/朝鮮日報日本語版 2015/11/06

https://web.archive.org/web/20151106192902/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/11/06/2015110601266.html
https://web.archive.org/web/20151106033131/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/11/06/2015110601266_2.html

挺対協来日 慰安婦像「被害者が決める」 —

挺対協来日 慰安婦像「被害者が決める」

韓国の慰安婦像「撤去できない」 支援団体が会見

朝日2015年11月22日

韓国の元慰安婦の支援団体「韓国挺身(ていしん)隊問題対策協議会」(挺対協)の尹美香(ユンミヒャン)・常任代表が22日、東京都内で記者会見した。ソウルの日本大使館前に挺対協が2011年に設置した慰安婦の被害を象徴する「少女像」について、「撤去すべきかどうかは被害者が考えること。撤去の要求は解決の意思がないということだ」などと批判し、撤去する考えがないと明らかにした。少女像をめぐっては、日韓首脳会談で安倍晋三首相が慰安婦問題の早期妥結の条件として韓国側に撤去を求めたとされる。

 尹氏は挺対協の結成25周年の集会のために来日した。日韓両首脳が慰安婦問題の早期妥結で合意したことについては「内容のある加速化であれば歓迎する」とし、日本政府が旧日本軍の慰安婦について「国家による過ち」と認めることが最も重要だとした。また高齢化する生存者47人のうち意思疎通ができるのは約30人だといい、「一人でも多く『これで日本政府を許すことができる』と言えるうちに措置をとってほしい」と求めた。

 韓国の元慰安婦の支援団体「韓国挺身(ていしん)隊問題対策協議会」(挺対協)の尹美香(ユンミヒャン)・常任代表は22日、東京都内で開かれた挺対協結成25周年の集会後、記者会見を開いた。韓国最大の支援団体である挺対協は問題解決の大きなカギを握るとされる。主なやり取りは次の通り。

 ――日韓首脳会談で、安倍晋三首相と朴槿恵大統領は、慰安婦問題の早期妥結に向けて協議を加速させることで合意した。どう評価するか。

 内容のある加速化であれば大歓迎だ。ところが会談後、日本側では「平和の碑(ソウルの日本大使館前に建つ少女像)を撤去することを条件に」とか、「慰安婦問題を再び提起しないと約束しろ」といった報道が相次ぎ、もどかしい思いがした。そのような前提条件をつけられたら一歩も前に進めなくなってしまう。

 安倍首相には首相官邸周辺だけでなく、異なる意見を聞くことを求めたい。日本には日韓間で生じた問題を解決するために努力を傾けてきた知識人や専門家が多くいる。

 韓国では、外交省の局長らが元慰安婦に直接会い、要求に耳を傾けている。この問題は被害者を抜きには解決できないからだ。日本でもそうした動きを進展させ、戦後70年の節目の年に美しい日韓関係を作ってほしい。

 ――日本政府は、慰安婦問題は1965年の日韓請求権協定で法的に解決済みという立場だ。法的責任を明確にしない解決策を受け入れることができるのか。

 国家が過ちを犯したという事実を認めることが大事だ。慰安婦にされた女性が自分の意思に反して「性奴隷」にされたこと、慰安所が日本軍の施設として設置・運営され、それが当時の国内法、国際法にも反していたと認めれば、法的責任を認めたことになる。

 あいまいな形ではダメだ。性暴力の加害者が「あなたがミニスカートをはいていたからダメなのだ。しかし、生活が苦しいからお金をあげましょう」と言っても解決にならない。過ちを犯した側が、過ちをいかに認めるかが大事だ。蒸し返さないならば経済支援をする、というやり方では、傷は残ったままだ。

 ――挺対協が2011年にソウルの日本大使館前に建てた少女像(平和の碑)が日韓の外交問題になっている。どう考えるか。

 碑は(元慰安婦たちが日本政府に謝罪と賠償を求める日本大使館前の)水曜デモが千回に達したことを記念して建てた。水曜デモを始めたとき、元慰安婦は韓国社会でも冷たい視線を受けていた。碑はあきらめずにやり続ければいつか共感してもらえることや、平和と希望を伝えている。撤去したら何かをするという条件を出すこと自体、解決する気がないと見なされる。撤去するかどうかは被害者が考えることだ。解決できない理由が被害者側にあるかのような論調を作らないでほしい。

 ――(元慰安婦を支援する各国NGOでつくる)「日本軍『慰安婦』問題アジア連帯会議」の提言案が実現した場合、全員が受け入れられるのか。

 韓国で存命する47人のうち、意思疎通できるのは30人ほどだ。残り17人は意識のないまま病院にいる。理解可能な人には提言を伝えている。この提言に沿って解決されたとき拒む人はいないと思う。安倍首相には、一人でも多くが「これで日本政府を許せる」と言えるうちに措置をとってほしい。

 一番美しい形は、安倍首相が被害者が望む解決策を発表し、日本大使が(日本大使館前の少女像の)隣のいすに花を手向け、再び同じ被害が生まれないように誓うことだ。それを見れば、世界は(和解のためにワルシャワのユダヤ人記念碑前に)ひざまずいたドイツ首相(ブラント西独首相)の姿を想起するだろう。(編集委員・北野隆一、武田肇)

http://megalodon.jp/2015-1123-0251-46/digital.asahi.com/articles/ASHCQ671XHCQUTFK00C.html?rm=439

[eng] LAtimes 河野談話性奴隷強制認める — 2015年11月22日

[eng] LAtimes 河野談話性奴隷強制認める

Japan Admits That WWII Sex Slaves Were Coerced : Apology: Government statement overturns decades of denial. Yet the question of redress for victims remains.
August 05, 1993|TERESA WATANABE | TIMES STAFF WRITER
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TOKYO — More than 50 years after forcing thousands of Asian and European women into wartime sexual slavery, Japan officially admitted Wednesday that military officers used coercion to recruit them and apologized for the “immeasurable pain and incurable physical and psychological wounds” inflicted.

The admission is the government’s first acknowledgment that it used force, overturning decades of denial and eliminating a major obstacle to awarding the women compensation.

But in the statement, Chief Cabinet Secretary Yohei Kono did not resolve the issue of redress, saying only that Japan will continue to “consider seriously” how best to show remorse. The official statement also stopped short of acknowledging the acts as a war crime, as demanded by the former sex slaves–euphemistically called “comfort women”–now living in Korea, China, Japan, Taiwan, the Philippines, Indonesia and the Netherlands.

“We shall face squarely the historical facts . . . instead of evading them, and take them to heart as lessons of history. We hereby reiterate our firm determination never to repeat the same mistake,” Kono said.

The announcement, issued after a 19-month study that involved interviews with more than 25 former sex slaves, was welcomed by the South Korean government. It commended the report’s “sense of self-reproach” and said the matter will no longer pose a diplomatic problem between the two nations. Foreign Minister Han Sung Joo said that Seoul is still waiting, however, for Tokyo to clarify the exact role it played and how many women were involved.

But South Korean activists blasted the report as a whitewash hastily pushed through on the final day of Prime Minister Kiichi Miyazawa’s administration. The Korean Comfort Women Committee castigated Japan for failing to declare the acts a war crime or release specific data, such as the estimated numbers recruited, the cities where brothels were established and the murders and other atrocities allegedly committed against the sex slaves.

Japanese Foreign Ministry spokesman Sadaaki Numata said that the lack of documents made it impossible to accurately estimate the numbers involved. He also said the study showed that many, but not all, of the women were coerced and that some were paid for their services.

Korean experts and others have estimated that between 70,000 and 200,000 women were shipped to locations throughout Asia to provide sex for Japanese soldiers from 1932 to 1945. Although the flesh traders initially used false job advertisements as lures, starting in 1943 they began slave hunts when women could no longer be tricked, according to one of the recruiters, Seiji Yoshida.

Survivors have detailed horror stories of being kidnaped and shipped to the front lines and of being tortured with hot irons if they tried to escape. Many women committed suicide; others were reportedly murdered or left to die when the army retreated.

But the Japanese government had steadfastly maintained that it bore no responsibility because the brothels were privately owned. After a scholar in Japan unearthed documents last year showing military involvement, however, the government acknowledged its complicity last July.

Until Wednesday, however, the government had continued to deny that military officials used force in recruiting the women. Numata said “understandable reticence” by both offenders and victims was one reason it took Japan 50 years to face the issue.

Former military personnel, brothel operators, scholars and others were among those interviewed for the study in addition to the former sex slaves.

On the war crimes question, Numata disclosed that at least five Japanese military officials and four civilians involved with sex slaves were convicted before a war crimes tribunal in the former Dutch East Indies and that one army major was executed. But he said Japan’s acknowledgment that the military was involved in forcing many women into sexual service “does not necessarily state a legal position” on the war crimes question.

The study’s completion does clear the way for Japan to consider again the question of monetary compensation. The government has refused to pay compensation, saying such claims were waived by the peace treaty that ended World War II in 1945 and by subsequent agreements. But the finding of force opens the door for the government to offer redress, and a senior Foreign Ministry official said the matter would likely be decided by the new government.

It is possible that the new government will be more amenable to compensation claims, because several of its key leaders have aggressively called on Japan to face its wartime guilt and offer concrete apologies.

http://megalodon.jp/2015-1122-1915-59/www.peeep.us/f85901fd
http://www.webcitation.org/6dE9NIE2h

朝日社説[eng/jpn] パク・ユハ起訴 —

朝日社説[eng/jpn] パク・ユハ起訴

 (社説)歴史観の訴追 韓国の自由の危機だ 2015年11月21日

韓国の検察が、同国で出版された「帝国の慰安婦」の著者、朴裕河(パクユハ)・世宗大教授を在宅起訴した。旧日本軍将兵らの性の相手をさせられた女性たちに対する名誉毀損(きそん)の罪に問うている。

 起訴内容は、元慰安婦らの告訴をそのまま認めた。著書には「朝鮮人慰安婦と日本軍は基本的に同志的関係にあった」といった表現などがあるが、検察はこれらを「虚偽の事実」にあたると断じている。

 また、言論や出版、学問の自由は憲法が保障する基本的権利だとしながらも、元慰安婦らの「人格権などを侵害し、学問の自由を逸脱した」と起訴理由をあげている。

 慰安婦問題をめぐり、当事者や支援者にさまざまな意見があるのはわかる。だが、史実の正否は検察当局が判断を下すべきものではない。ましてや歴史の解釈や表現をめぐる学問の自由な営みを公権力が罰するのは、きわめて危険なことである。

 朴さんが著書で論じている趣旨は、帝国主義が抱える女性抑圧の構造的な問題である。さらに、同志的関係にならざるをえないような状況に追い込んだ当時の日本の責任を厳しく追及してもいる。

 韓国ではこれまでも日本の過去の問題が関係する事案では、法律論よりも国民感情に流されるかのような捜査や判決があった。今回の判断の背景に、そんな要素は働かなかったか。

 この本をめぐっては元慰安婦らの仮処分申請を受け、裁判所も、一部を削除しなければ出版を認めない決定をしている。

 確かに慰安婦問題については実際の総数など、まだ不明な部分も多い。一方で、被害者の韓国人女性たちが90年代初めに名乗り出始めて以降、日韓を中心に研究が進み、徐々に慰安婦問題の実態がわかってきた。

 同時に明らかになったのは、慰安婦といっても、実に多様なケースがあったということだ。朴さんの著書はまさにその多様な側面に焦点をあてたが、韓国で広く語られる「純真で無垢(むく)な少女」という被害者像と必ずしも一致するわけではない。

 だからといって、研究者が成果を発表するたびに刑事事件で起訴されていたのでは学問は成り立たない。学説や発見、解釈は互いに検証し、批判や反論をし合うことで、研究が進展したり、淘汰(とうた)されたりするものだ。

 異論の封殺は、自由に対する挑戦である。今回の問題は朴さん個人にとどまらない。韓国メディアは起訴を大きく報じていないが、自由を守る声が広がることを願ってやまない。

http://megalodon.jp/2015-1122-1853-01/digital.asahi.com/articles/DA3S12078719.html?rm=150

EDITORIAL: Indictment of historian a crisis of freedom in S. Korea

Prosecutors in South Korea have indicted a university professor on defamation charges, claiming she falsely described former “comfort women” who were forced to provide sex to wartime Japanese soldiers.

Park Yu-ha, who is attached to Sejong University, was charged without arrest on Nov. 18 in connection to her book, “Comfort Women of the Empire,” which prosecutors assert defamed these women.

Prosecutors acted on complaints made by former comfort women.

“Korean comfort women and the Japanese military were basically in a comradely relationship,” Park wrote in her book.

Prosecutors claim this, and some other descriptions in her book, are factually wrong.

While acknowledging that speech, press and academic freedoms are basic rights guaranteed by the Constitution, prosecutors contend that Park violated the personal rights of former comfort women and overstepped the boundaries of academic freedom.

There are a wide variety of views and opinions concerning the comfort women issue among former comfort women and their supporters, but it is not the mandate of public prosecutors to judge whether descriptions of historical facts are correct or not.

It is even more dangerous for authority to punish free academic activities concerning interpretations and descriptions of history.

In her book, Park mainly discussed the structural problems of imperialism that were behind the suppression of women.

She harshly blames the imperial Japan for driving these women into a situation in which they had no choice but to have a comradely relationship with soldiers of the Imperial Japanese Army.

In South Korea, there have been criminal investigations and court rulings that seem to be influenced more by national sentiment than by legal theories in cases concerning issues related to Japan’s past.

The latest move by the country’s prosecutors appears to be one example of this.

After former comfort women sought a temporary injunction against the publication of Park’s book, the Seoul Eastern District Court handed down a ruling in February that banned the publication of the book unless some passages were deleted.

Many facts about the comfort women issue remain unclear, such as the actual number of them.

However, since former comfort women in South Korea began to come forward to tell their stories in the early 1990s, a lot of historical research on the subject has been conducted, mainly in Japan and South Korea. As a result, the real picture of comfort women has been gradually emerging.

These studies on comfort women have disclosed that there was actually a great diversity of cases.

Park’s book focused on this diversity and her descriptions about some cases do not necessarily fit the common image of comfort women among South Koreans as “innocent girls.”

If researchers face the constant threat of criminal prosecution over the publication of their research findings, however, the pursuit of learning is impossible.

Progress in academic research and the natural selection of academic theories take place through mutual reviews and criticism of various theories, discoveries and interpretations.

Suppressing dissenting views and opinions is a serious challenge to freedom.

The indictment of Park represents a problem that far transcends her personal concerns.

South Korean media have not given extensive coverage of the action taken by the prosecutors. We strongly hope to see a wide spectrum of the South Korean public stand up for the protection of freedom.

–The Asahi Shimbun, Nov. 21
http://megalodon.jp/2015-1122-1855-18/https://ajw.asahi.com:443/article/views/editorial/AJ201511210041
https://web.archive.org/web/20151122095522/https://ajw.asahi.com/article/views/editorial/AJ201511210041